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2013 年度卒業研究案内

卒業研究で一緒に,量子力学の数学的な基礎を勉強しませんか.そして,その知識を応用して理論的研究を始めましょう.

具体的には,前期にK. L. Chang, Mathematical Structures of Quantum Mechanics, World Scientific(2012) という新刊図書を皆で輪講します.
 私が講義している応用解析では,量子力学や統計力学(確率論) の解析的な側面(微分や積分) を主に議論していますが,量子力学や統計力学など現代物理学では,理論における代数的な側面も重要です.この本は,演算子の交換関係やブラベクトル<ψ|,ケットベクトル|φ> についての入門的な解説書であり,自然と読者を群の表現論へと導いてくれます.この本を一通り勉強すると,物理現象に対してそこに潜む対称性を考察することが大切であることが理解できると思います.このポイントが分かると,物質の相転移や臨界現象,あるいは量子場の理論というものに関する研究をスタートすることが出来ます.後期には各自に研究をしてもらいます.
 毎年11月の大学祭では,卒研生が中心となって研究発表(パネル展示) をしています.ちょうど大学祭の時期は前期の勉強が一通り済んで後期の研究課題に取り掛かり始める時で,毎年皆,面白い発表パネルを作ってくれます.

私の研究室での卒研および大学院進学(下記参照) に興味ある人は,直接私を訪ねて下さい.(居室:1 号館5 階1538 室,e-mail: katori@phys.chuo-u.ac.jp).卒研の具体的な計画や大学院での研究課題について相談しましょう.


大学院での研究案内

私は最近,強く相互作用する多粒子系の問題を厳密に解く方法(可積分系の研究成果) を用いて,統計力学を研究することを行っています.この方法が適用できるのは(残念ながら今のところ) 古典的な平衡系では2 次元系,量子平衡系では1 次元系,古典的な非平衡系では時空2 次元系(時間1 次元+空間1次元) に対してだけです.このように「低次元の話」ではありますが,確率論の極限定理やマルチンゲールの理論,特殊関数論,(多変数) 複素関 数論,群の表現論,ランダム行列理論,ゲージ理論,共形場理論,ゼータ関数論などと関連が深く,数理物理学のメインテーマとなっています.

研究室では卒研生や大学院生諸君と一緒に

(1) ランダム行列理論と行列式確率過程(vicious walker model)

(2) ゲージ理論と量子戸田格子

(3) 臨界現象・フラクタルパターンとSchramm-Loewner 方程式

(4) 交通流モデルや界面成長モデルの厳密解

(5) グラフェンと量子ウォーク・モデルに見られるディラック電子系

(6) リーマン・ゼータ関数と統計力学

などについて,勉強と研究をしています.この研究室のホームページに活動記録や資料(写真やpdf.file) がありますので参照下さい.