香取研 火曜セミナー: 町田拓也氏 & 瀬川悦氏

第4回 香取研 火曜セミナー[pdf.file]

[講演者] 町田拓也氏 (横浜国立大学大学院工学府)
[題目] 時間依存型離散時間量子ウォークの極限分布の計算
[日時] 2009 年 10 月 27 日(火) 14:40 〜 16:10
[要旨] 本研究では,1次元格子上の量子ウォークにおいて,時間発展作用素であるユニタリ行列が時間発展するモデルを考える.紹介する主な結果は,ユニタリ行列が2周期で時間発展する場合の極限分布である.さらに,ユニタリ行列が一般に時間発展するモデルの中でも,特殊な場合に対し極限分布を計算した.

[講演者] 瀬川悦生氏 (東京工業大学 産学官連携研究員)
[題目] 一次元格子上の離散時間量子ウォークの連続近似
[日時] 2009 年 10 月 27 日(火) 16:20 〜 17:00
[要旨] 1 次元格子上の量子ウォークのダイナミクスを記述する2×2の量子コインを以下の 2 種類のタイプで時間に依存させることを考える:
1. 量子コインの対角成分が時間の経過とともに0に向かうタイプ,
2. その逆で, 非対角成分が0になるようなタイプ.
この発表では前者が漸近的に連続時間量子ウォークのシュレディンガー方程式を用いて記述されることを示す[1] [2]. さらに我々がコインの対角成分の0への収束のスピードに依存した,原点への再帰確率の漸近挙動と,分布に関する弱収束の極限定理を導いたことを報告する.

一方, 後者の時間依存型コインを用いることにより, [3] で,離散時間量子ウォークのある種の時空間連続近似をとることで, 1次元のDirac方程式になることが示され,その中心極限定理が[4] により与えられた, その周辺のことについて議論する.

参考文献:

1. Strauch, F, W.: Connecting the discrete- and continuous-time quantum walks. Phys. Rev. A 74 030301 (2006)
2. Romanelli, A.: Driving quantum walk spreading with the coin operator. arXiv:0908.0019 (2009)
3. Strauch, F, W.: Relativistic quantum walks, Phys. Rev. A 73 054302 (2006)
4. Bracken, A, J., Ellinas, D. and Smyrnakis, I.,: Free-Dirac-particle evolution as a quantum random walk. Phys. Rev. A 75 022322 (2007)


[場所] 中央大学理工学部 1 号館 5 階 1530 室
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香取 眞理
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