katori_top_2019
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2019 年度卒業研究案内
私は揺らぎの物理と数学に興味があります.量子力学での揺らぎは不確定性から生じる原理的なものであり,統計力学での揺らぎは情報の縮約によって生じるランダム性から発生するものです. このように,量子力学における揺らぎと統計力学における揺らぎは全く別物のように見えますが,無限個の粒子の量子状態を扱う量子場の理論や,散逸を伴う非可逆現象を表す非平衡統計力学を考えていくと,不思議なことに両者の違いは薄れ,両者に共通する揺らぎの本質論に迫らなければならなくなります.最近,私はランダム行列理論に関係した非平衡統計力学モデルを研究しています.
ランダム行列というのは成分が乱数(確率変数)である行列(つまり「乱行列」)のことです.こうなると何もかもハチャメチャでめちゃくちゃになってしまいそうですが,不思議なことに,行列のサイズを無限大にしていくと美しい確率法則が現れるのです.この法則は綺麗なだけではなく普遍的で,さまざまな自然現象を理解する上で有効です.ランダム行列と非平衡統計力学(確率過程)に関する解説書も最近出版されるようになり,私も1冊執筆しました.卒研では,これらの教材を使って,ランダム行列理論の研究を目指します.ゆくゆくは理論物理学のホットな研究課題に挑戦したいと思っている人を歓迎します.
私の研究室での卒研および大学院進学(下記参照)に興味ある人は,直接私を訪ねて下さい.
居室:1 号館 5 階 1538 室,e-mail: katori@phys.chuo-u.ac.jp
また,2018年11月3日(土)に1526号室( 1号館5階)で研究室公開をします.M0以上が研究テーマについてポスター展示をする予定です.(なお,卒研配属が決まった人は,上記アドレスに氏名を書いてメールを下さい.折り返し連絡しますので,「迷惑メール」として受け取り拒否にならないようにしておいて下さい.)
大学院での研究案内
研究室では,大学院生や助教のアンドラウス氏と一緒に
(1) ランダム行列理論や群の表現論と関係する確率過程
(2) 組み合わせ論と確率過程論のq-拡張と楕円関数拡張
(3) 臨界現象・フラクタルパターンとSchramm-Loewner発展(SLE)
(4) ガウス自由場とリウビル量子重力理論
(5) 非平衡相転移を示す交通流モデルや粗い界面成長の数理モデル
などについて,勉強と研究をしています.このホームページに活動記録や資料(写真や pdf.file)がありますので参照下さい.
卒研説明会 (2018年10月25日) のときのスライド [slides]
2018年10月 香取眞理